限界
11月の少し寒い夜である。
桜ん坊の砂糖漬のような交番の灯を見ながら角を曲がる。
ナトリウム灯に落ちる黒い影。
空気中の水分が真夜中のプラットホームに立ち込めている。だから光の範囲は、少し霞んでいるようだ。
パンが焼けるまでの時間、煙草を吸う。
携帯電話で手紙を作る。友人宛に送るつもりだが、結局、形も心もない、何かになり損ねた情報のようだ。
ご飯を作る。美味しくなるように、塩加減を考える。
いつも上の空。壊れ物の肉体をもて遊んでいる。
連日に渡る夜遅くまでの勤務。それを支えるのは目覚めに全裸を晒して冷たい空気だの熱い湯だのかぶるからだ。
いつのまにか12月である。いつも現在のことを書いているつもりが瞬く間に昔話になってしまう。
吐気がする。
©T.A
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